2014-06-12

すまい探偵帖@石巻 vol.10

 

 



すまい探偵帖@石巻010
「第4の謎・配置」下
 

◆現在の当主・清さんからいろいろお話を伺った。神山家の敷地は、他の尾崎地区に比べて地形的に約200m高いそうだ。これで納得。やはり捨松さんは、三陸津波の経験から、この敷地を選んだ可能性が大きい。
◆敷地の南隣に秋葉山(あきはさん)の石碑がある。これは、尾崎地区の南端を示す印だった。秋葉山とは、火防(ひぶせ)の神・秋葉大権現のこと。元々ここは砂浜の空き地だったらしい。だが、単なる空き地ではなく集落全体を火事から守る信仰的な意味があった。
◆神山家の主屋の前庭、つまり家の正面に、大きな樫の木があった。樫の木は、常緑樹で燃えにくい性質があり、火災の際には水が出てくるという防火の信仰がある。だが、これは神山家だけではない。尾崎地区の旧家では庭に樫の木を植える習慣があった。火事を出せば延焼の危険があり、他の家に迷惑がかかる。座敷から海を眺めると樫の木が見える。これは、個々の家の火の用心の戒めでもあった。
◆秋葉山の石碑と樫の木。一見なんでもないような風景に今は忘れ去られた意味がある。神山家は2重3重に防災の家だったと解釈したい。神山家は、秋葉山の石碑のある集落全体の防火の象徴的な場所に建ち、樫の木で自らも防火の祈りを捧げていた。そしてあの正方形の神棚で更に強力に安全を祈願する。集落、敷地、家の空間それぞれに防災の仕掛けがあったのだ。
◆更にこの勢いに乗じて暴論を承知で書いてみたい。敷地が四神相応(しじんそうおう)ではないかと思うのだ。四神相応とは、中国伝来の吉相の地形。東西南北それぞれ、川、道、池、山のある土地が理想的だ。有名なのは平安京で、東に鴨川、西に山陰道、南に巨椋池、北に船岡山がある。
◆神山家は、この方位を右に90度振った配置をしている。まず、東に裏山、西に海。本来は東が北で西は南だが、右に回転しているのだ。南に井戸、これを川とする。そして北に集落が広がり道が始まる。これが右90度回転四神相応。
◆神棚の彫刻は覚えていますか?東の青竜、南の朱雀、西の白虎、北の玄武、四神が全て神棚にいる。これは敷地の四神相応に対応している。更に、本宮、内宮、外宮の戸袋の月と太陽の彫刻。これは朝から夜、太陽から月へ向かう回転を表す。左へ90度回転なので敷地の右回転を修正していると解釈できるのだ。すると神山家は四神相応も含めて4重防災の家になり、真四角の正方形の家にふさわしい構造となる。いささか深読みしすぎかな?


(文・一級建築士 那須武秀さん)





 
 
 
おかげさまで
車旅をはじめて 2ヶ月が経とうとしています
 
こうやって続けられているのもみな 
各地で 泊めていただいたり、
優しくしていただいた みなさんのおかげです

どうもありがとうございます、!
 
 
4月に最後の日記を書いてからというもの
バタバタと移動が続き、
こんなに空白の時間をつくってしまいました
 
3月の手日記・下も書けていないですね~(笑)


山陰→九州→四国→京都→中部地方を抜けて
今は 山梨県道志村にある 内山さんの工房で
寝泊りをしながら 織りを教えていただいています



空白の時間を追う前に、
とり急ぎの ご報告でした



i kin ye!!



♪ this is the kid
 


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